Sayacat Blog

気ままな一人暮らしの雑記Blog

あの日見たもの

 

数年前のはなし。

 

法事があり家族で沖縄へ行きました。

法事は初日に終わり、 二日目に普段行かないところへ行こうとなった為、 家族みんなでレンタカーに乗り中部へ向かいました。

 

もともと祖父は八重山地方の黒島出身、祖母は本島の南城市出身。

以前ブログで書いた通り、母たちも糸満市で生まれ育った為、 私自身も石垣島か本島の南部に行くことしかなかったので中部から やんばる地方に行く機会はあまりなく、 土地勘もない為ドライブ気分でふらっと向かいました。

 

うるま市まで行き、『時間もあるし橋を渡って最端まで行こう』 となり、伊計島を目指し出発しました。

どこまでも続くサトウキビ畑と穏やかな空気、 その日はとても晴れていて見通しも良かったので海もより一層キラ キラして澄んでいました。

宮城島を通り過ぎ伊計島に入ったころ、その日は6月の土曜日にも 関わらずほとんど車も通らず人も歩いていませんでした。

とても気持ちが良かったので、 私は車の窓を開けて外を見ていました。

すると、畑の途中に空き地のような開けたところがあり、 頭頂部の髪の薄い長髪の男の人がくわのようなものを高く振りかざ しながら胸下くらいまで隠れるほどの穴を上裸で掘っていました。

『こんな暑い日にあんなに掘って、 どうやって穴から這い上がるんだろう。大変そうだなぁ』と思い、 そこを通り過ぎました。

島は小さく一周するのにそう時間はかかりませんでした。

帰り道、『あのおじさんどうしたかな?まだ掘ってたりして。笑』 と思い窓の外を見ていたところ、 似たような空き地はあったものの行きとは明らかに雰囲気が違う道 を通り、そしてそのまま島を出ました。

「 さっき穴掘ってたおじさんのいた道じゃない方から帰ったんだね~ 」と、何気なく言ったところ家族みんな黙ってしまいました。

 

島を出る時に通った道は、 確実に行きにも通ったところだったことと、そこに穴を掘っていたおじさんなんて居なかったからです。

帰りに通り過ぎたその空き地は雑草も生えていて、 明らかにさっき深い穴を掘っていたことろとは思えない状態でした 。

見間違いであってほしいと思ったものの、 とても晴れていて見通しも良く窓も開けていたので、 見間違いなはずはありませんでした。

その後、母が親戚に伊計島に行った話をしたところ、『 怖いし誰も近寄らないよ。なんでわざわざ行くの』 と言われたそうです。

後から調べて分かったのですが、伊計島は無縁墓が多く、 その昔平家の落武者が流れ着いた土地だそうです。

 

あの穴は何のために掘っていたのか、そこに何があるのか。

 

島自体はとても穏やかで素敵なところです。

皆さんも行く機会があれば、ホテルのビーチ以外には入らないように。

詳しくは調べてみてください。